熱中症対策に役立つ栄養素とは?水分・塩分補給からアイススラリー活用まで解説

熱中症対策は、水分・塩分・栄養補給と、体を冷やす工夫を組み合わせることが大切です。
熱中症対策というと「水分補給」が真っ先に思い浮かびますが、実は水だけでは不十分です。汗をかくと、水分と一緒にナトリウムなどの電解質も失われるため、塩分や他の栄養素もあわせて補うことが大切になります。
この記事では、熱中症対策に役立つ栄養素を、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・ビタミンB1・ビタミンC・たんぱく質といった観点から整理し、さらに「作業前・作業中・休憩時・作業後」という時間軸で、職場・現場でどう補給するかを解説します。休憩所に置きたい食べ物・飲み物、休憩時の内部冷却に役立つアイススラリーの活用まで、現場で使える形でまとめました。
熱中症対策で意識したい栄養素・補給ポイント
- ・水分とナトリウム(塩分)は必ずセットで補給する
- ・カリウム・マグネシウムなどの電解質、ビタミンB1・C、たんぱく質もバランスよく
- ・栄養は「即効薬」ではなく、朝食を含む日々の食事で備える
- ・作業前・作業中・休憩時・作業後で、補給の目的が変わる
- ・休憩時の内部冷却には、アイススラリーという選択肢もある
- ・熱中症対策は栄養だけで完結しない。WBGT管理・休憩・体調確認とセットで
熱中症対策は「水分だけ」では不十分
汗で失われるのは水分だけではありません。水分と塩分(ナトリウム)はセットで考え、栄養素は日々の備えとしてとらえることが大切です。
汗で失われるのは水分だけではない
汗には、水分だけでなくナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質(ミネラル)も含まれています。大量に汗をかくと、これらが体から失われ、体内の水分・電解質のバランスが崩れます。水分だけを補っても、失われた電解質が戻らなければ、体調を崩す原因になります。
「塩分だけ」でもダメ。水分とセットで考える
逆に、塩飴や塩タブレットで塩分だけを補っても、水分が足りなければ意味がありません。水分と塩分は、どちらか一方ではなく、必ずセットで考えます。スポーツドリンクや経口補水液は、水分と電解質をバランスよく含むため、汗を多くかく作業時に向いています。
栄養素は「即効薬」ではなく、日々の備えとして考える
栄養素は、飲めばすぐ効く「即効薬」ではありません。普段の食事でバランスよく栄養をとり、暑さに負けない体を日々つくっておくことが基本です。特に、朝食を抜くと、水分・塩分・エネルギーが不足した状態で暑い環境に入ることになり、リスクが高まります。
熱中症対策で意識したい主な栄養素一覧

熱中症対策で意識したい主な栄養素と、その役割・多く含む食品の例をまとめました。
| 栄養素 | 主な役割(一般的に言われること) | 多く含む食品の例 |
|---|---|---|
| ナトリウム(塩分) | 汗で失われる主な電解質。水分とセットで補給 | 塩、味噌汁、梅干し、塩タブレット |
| カリウム | 体内の水分・電解質バランスの維持に関わる | バナナ、いも類、海藻、果物 |
| マグネシウム | 多くの体内の働きに関わるミネラル | ナッツ、大豆製品、海藻 |
| ビタミンB1 | 糖質をエネルギーに変える代謝に関わる | 豚肉、玄米、豆類 |
| ビタミンC | 体調維持に関わるビタミン | 柑橘類、野菜、いも類 |
| たんぱく質 | 体づくりの基本となる栄養素 | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
上表の役割は一般的に言われている内容の整理であり、特定の効果を保証するものではありません。特定の栄養素を多くとれば熱中症を防げるというものではなく、バランスのよい食事が基本です。持病がある方は、後述の注意点もご確認ください。
タイミング別|熱中症対策に役立つ栄養補給の考え方

補給は、「朝・作業前・作業中(休憩)・作業後」で目的が変わります。タイミングごとに意識するポイントを押さえましょう。
朝:朝食で水分・塩分・エネルギーを入れる
朝食は、その日の水分・塩分・エネルギーを補給する大切な機会です。ご飯・味噌汁・おかずをそろえると、水分・塩分・糖質・たんぱく質をまとめてとれます。朝食を抜いて暑い現場に入るのは避けたいところです。時間がない場合でも、汁物や果物だけでもとっておくと違います。
作業前:汗をかく前に補給しておく
のどが渇いてからでは遅いため、作業に入る前に、あらかじめ水分・塩分を補給しておきます。作業前に体を冷やしておく「プレクーリング」も有効とされ、休憩時の内部冷却に使われるアイススラリーは、この作業前の冷却にも活用されることがあります。
作業中・休憩中:水分+塩分+冷却をセットにする
作業中はこまめに(目安として20〜30分に一度)、水分と塩分をセットで補給します。休憩中は、水分・塩分の補給に加えて、体を冷やすことも意識します。冷たい飲み物、冷却タオル、アイススラリーなどを組み合わせると、体温を下げながら補給ができます。
作業後:回復のために食事を抜かない
作業後は、失われた水分・電解質・エネルギーを補い、体を回復させる時間です。疲れて食欲が落ちることもありますが、食事を抜くと翌日に疲れや不調を持ち越しやすくなります。たんぱく質を含むバランスのよい食事と、十分な水分・睡眠で回復を図りましょう。
職場で取り入れやすい「食べ物・飲み物」例
難しく考えず、休憩所に置きやすいもの・昼食で意識したいものから始めましょう。
休憩所に置きやすいもの
- 水・お茶(カフェインの少ないもの)
- スポーツドリンク・経口補水液
- 塩タブレット・塩飴
- 梅干し・昆布などの塩分が取れるもの
- バナナなどの果物(カリウム補給)
- 休憩時の内部冷却に使えるアイススラリー
お弁当・昼食で意識したいもの
主食(ご飯など)・主菜(肉・魚・卵・大豆製品)・副菜(野菜)・汁物をそろえると、水分・塩分・糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランスよくとれます。夏場は食欲が落ちがちですが、豚肉(ビタミンB1)や、薬味・酸味で食べやすくする工夫も役立ちます。
現場で避けたい食べ方
- 朝食を抜いて作業に入る
- 水だけを大量に飲む(塩分を一緒にとらない)
- 昼食を抜く・極端に軽くする
- 前日の過度な飲酒(アルコールは脱水を招きやすい)
- エネルギードリンクなどに頼りきる
アイススラリーは熱中症対策の栄養補給にどう役立つ?

アイススラリーは、体の内側から冷やしながら、水分・塩分・糖質の補給にもつながる選択肢のひとつです。休憩時の内部冷却に向いています。
アイススラリーとは?
アイススラリーとは、微細な氷と液体が混ざった、シャーベット状の飲み物です。普通の氷や冷たい飲み物よりも体を冷やす効果が高いとされ、飲むことで体の内側から深部体温を下げることを目的に活用されます。製品によっては、水分・塩分・糖質をあわせて補給できるものもあります。
アイススラリーが職場の休憩時に向いている理由
休憩時にアイススラリーをとると、水分・塩分・糖質の補給と、体の内側からの冷却を同時に行えるのが利点です。暑い現場では、外から体を冷やすだけでなく、内側から冷やすことも体温管理に役立ちます。作業前の「プレクーリング」として使われることもあります。
職場での運用例
- 休憩所の冷凍庫にストックし、休憩のたびに配布する
- 作業前のミーティング時に配り、体を冷やしてから作業に入る
- 特に暑い時間帯(13〜15時など)の休憩で活用する
- WBGTが高い日の追加対策として用意しておく
職場・現場で使いやすいアイススラリー関連アイテム

業務用アイススラリー関連商品
職場や現場の休憩時に活用しやすいアイススラリー関連商品です。休憩所にまとめて用意しておくと、作業前や休憩時の内部冷却・補給に役立ちます。

業務用アイススラリー関連商品①
職場の休憩所で活用しやすいアイススラリー関連商品。作業前や休憩時の内部冷却・補給に役立ちます。

業務用アイススラリー関連商品②
現場で配布しやすいアイススラリー関連商品。暑熱対策の一部として運用しやすいアイテムです。

業務用アイススラリー関連商品③
休憩時の冷却・水分補給に役立つアイススラリー関連商品。まとめて備えておくと運用しやすくなります。

業務用アイススラリー関連商品④
職場・現場の暑熱対策に使いやすいアイススラリー関連商品。休憩所の補給ステーションに適しています。
目的別|栄養補給・水分補給の選び方
目的によって、適した補給方法は変わります。シーンに合わせて使い分けることが大切です。
日常の体づくりなら「食事」
暑さに負けない体を日々つくるなら、バランスのよい食事が基本です。朝食を含め、主食・主菜・副菜・汁物をそろえることを意識しましょう。
汗をかく作業中なら「水分+塩分」
作業中にこまめに補給するなら、水分と塩分をバランスよく含むスポーツドリンクや経口補水液、塩タブレットとの組み合わせが向いています。
体を冷やしたい休憩時なら「アイススラリー」
休憩時に体の内側から冷やしながら補給したいなら、アイススラリーが選択肢になります。作業前のプレクーリングにも活用されます。
熱中症が疑われる時は「栄養補給」より初動対応
すでに熱中症が疑われる症状(めまい・頭痛・吐き気・けいれんなど)がある場合は、栄養補給よりも初動対応が優先です。涼しい場所へ移動し、体を冷やし、誰かが付き添います。意識がない・受け答えがおかしい・自力で水分が取れない場合は、ためらわず救急要請(119番)を検討してください。
職場で栄養・水分補給を運用するチェックリスト

- 休憩所に水・スポーツドリンク・経口補水液を用意している
- 塩タブレット・塩飴など塩分補給品を用意している
- 水分と塩分をセットで補給するよう周知している
- 作業前・作業中・休憩時・作業後の補給ポイントを共有している
- 朝食を抜かないよう声かけしている
- 休憩時の内部冷却にアイススラリーなどを活用している
- 補給品の補充・在庫管理の担当を決めている
- 持病がある人へ医師の指示を優先するよう案内している
- 熱中症が疑われる場合は補給より初動対応を優先すると周知している
- 栄養・補給だけでなくWBGT管理・休憩・体調確認も行っている
高血圧、腎疾患、心疾患などの持病がある方は、塩分・水分・カリウムなどの摂取について制限がある場合があります。塩分補給などは、必ず主治医の指示を優先してください。職場で一律に大量の塩分補給をすすめる際は、こうした事情にも配慮しましょう。
よくある質問
Q. 熱中症対策に一番大切な栄養素は何ですか?
「これ一つ」という栄養素はありません。汗で失われる水分とナトリウム(塩分)をセットで補うことが基本で、加えてカリウム・マグネシウムなどの電解質、エネルギー代謝に関わるビタミンB1、体調維持に関わるビタミンCやたんぱく質などをバランスよくとることが大切です。栄養は即効薬ではなく、日々の備えとして考えましょう。
Q. 水だけ飲んでいれば熱中症対策になりますか?
水だけでは不十分です。汗をかくと水分と一緒にナトリウムなどの電解質も失われます。水だけを大量に飲むと体内の塩分濃度が薄まり、かえって体調を崩すことがあります。水分と塩分(および糖分)をセットで補給することが基本です。
Q. 塩飴だけ食べれば大丈夫ですか?
塩飴は手軽な塩分・糖分補給に役立ちますが、それだけでは水分が不足します。塩分は水分とセットで考えることが大切です。塩飴・塩タブレットは、水やスポーツドリンク・経口補水液などの水分補給と組み合わせて使いましょう。
Q. アイススラリーは熱中症対策に使えますか?
アイススラリーは、微細な氷と液体が混ざったシャーベット状の飲み物で、体の内側から冷やす(深部体温を下げる)ことを目的に活用される選択肢のひとつです。作業前や休憩時の内部冷却に加えて、製品によっては水分・塩分・糖質の補給にもつながります。ただし、熱中症対策はアイススラリーだけで完結するものではなく、WBGT管理・休憩・体調確認などとあわせて行うことが大切です。
Q. 職場では何を準備すればよいですか?
休憩所に、水・スポーツドリンク・経口補水液などの飲料、塩タブレット・塩飴などの塩分補給品をまとめて置くのが基本です。加えて、休憩時の内部冷却の選択肢としてアイススラリーを用意する職場も増えています。誰が・いつ補充するかを決め、在庫を管理する仕組みもあわせて整えましょう。
まとめ
熱中症対策では、水分とナトリウム(塩分)をセットで補給するのが基本です。あわせて、カリウム・マグネシウムなどの電解質、ビタミンB1・C、たんぱく質などを、日々のバランスのよい食事でとっておくことが、暑さに負けない体づくりにつながります。栄養素は即効薬ではなく、朝食を含めた毎日の備えとして考えましょう。
補給は「朝・作業前・作業中・休憩時・作業後」で目的が変わります。特に休憩時は、水分・塩分の補給に加えて体を冷やすことが大切で、内側から冷やせるアイススラリーは有効な選択肢のひとつです。ただし、熱中症対策は栄養や補給だけで完結するものではありません。WBGT管理・休憩・体調確認・応急対応とあわせて、職場全体で取り組みましょう。
休憩時の内部冷却に。アイススラリー特集をチェック
熱中症対策では、水分・塩分・栄養補給に加えて、作業前や休憩時に体を冷やす工夫も大切です。グリーンセレクトでは、職場や現場の休憩時に活用しやすいアイススラリー関連商品をまとめてご案内しています。建設現場、工場、倉庫、イベント会場などでの暑熱対策を強化したい方は、ぜひアイススラリー特集をご確認ください。
アイススラリー特集を見る本ページは一般的な情報提供を目的としたものであり、医療的な助言や効果を保証するものではありません。栄養・水分・塩分の摂取は体質や持病により適切な量が異なります。高血圧・腎疾患・心疾患などの持病がある方は、必ず主治医の指示を優先してください。熱中症が疑われる場合は、栄養補給より初動対応を優先し、必要に応じて救急要請(119番)を検討してください。
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