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ヘルメットで熱中症リスクは上がる?現場で必要な暑さ対策と選び方を解説

ヘルメット着用時の熱中症リスクを確認する日本の作業現場
ヘルメット着用を前提に暑さ対策を設計するイメージ

「ヘルメットをかぶると頭が暑くて熱中症が心配」——夏の現場でよく聞く声です。たしかにヘルメット内には熱や湿気がこもりやすく、暑さの負担が増えることがあります。しかし、ヘルメットは飛来・落下物や墜落から頭部を守る大切な装備であり、「暑いから外す」ことが正解ではありません。この記事では、ヘルメットを着用したまま熱中症リスクを下げる考え方を、「頭部・体・環境・管理」の4層で整理します。厚生労働省や環境省の情報も踏まえ、ヘルメットの選び方から現場別の対策まで、安全と暑さ対策を両立する形でまとめました。

この記事の結論

ヘルメットで熱中症リスクは上がる?

結論:頭部に熱がこもる面はありますが、外すのではなく「着用前提で熱を逃がす」のが正解です。

ヘルメットは必要だが、夏場は頭部に熱がこもりやすい

保護帽(ヘルメット)には、飛来・落下物から頭部を守るものや、墜落時の頭部の損傷を軽減するものがあり、現場の安全に欠かせません。一方で、頭をすっぽり覆う構造のため、夏場は内部に熱や湿気がこもりやすく、汗をかいても乾きにくい状態になりがちです。これが「ヘルメットをかぶると暑い」と感じる理由です。

「安全対策」と「暑さ対策」は両立が必要

ここで大切なのは、「暑いから外す」ではなく「かぶったまま涼しくする」という発想です。頭部保護という安全対策を保ちながら、いかに熱を逃がすかを考えるのが、現場での正しいアプローチです。実際、厚生労働省の職場の熱中症予防対策でも、直射日光下では通気性の良い帽子やヘルメット等を着用させること、送風・送水で身体を冷却する機能をもつ服やヘルメットを積極的に採用することが示されています。

夏場のヘルメット内の蒸れと暑さを確認する作業員

ヘルメット着用時に暑くなる主な理由

結論:原因は「頭部の蒸れ」「直射日光・輻射熱」「服装・環境」の3つに分けて考えられます。

1. 頭部に熱と湿気がこもりやすい

ヘルメットは頭部を覆うため、内部の空気がこもり、汗による湿気もたまりやすくなります。汗が蒸発しにくくなると、体の熱が逃げにくくなり、暑さの負担が増します。

2. 直射日光や輻射熱を受ける

屋外ではヘルメット表面が直射日光で熱せられ、内部の温度も上がりやすくなります。環境省の暑さ指数(WBGT)が、気温だけでなく湿度・日射や輻射熱を取り入れた指標であることからもわかるように、日射や照り返しは体感以上に暑さに影響します。

3. ヘルメットだけでなく服装・作業環境も影響する

暑さの負担は、ヘルメット単体ではなく、作業服の通気性、フルハーネスや安全ベストの重ね着、作業場所の風通しや熱源など、複数の要因が重なって生まれます。だからこそ、頭部だけでなく体・環境・管理まで含めて対策する必要があります。

熱中症対策でヘルメットを外してもよい?

結論:作業中に安易に外すのは危険。外すより先に「涼しくかぶる」工夫を尽くします。

作業中に安易に外すのは危険

飛来・落下物や墜落のリスクがある作業中にヘルメットを外すのは、頭部災害につながる危険な行為です。暑さを理由に外すのではなく、外すのは休憩所など頭部災害のリスクがない安全な場所に限る、というルールを徹底しましょう。

外すより先に「涼しくかぶる」工夫をする

ヘルメットを外す前に、着用したまま涼しくする工夫がいくつもあります。次のような対策を組み合わせましょう。

ご注意

ヘルメットを外す場合は、必ず休憩所など頭部災害のリスクがない安全な場所で行ってください。作業エリアでの着脱は事故につながる恐れがあります。
1頭部対策
通気性や遮熱性を考慮したヘルメット選びのイメージ

熱中症リスクを下げるヘルメット選びのポイント

結論:現場の安全基準を満たすことを大前提に、通気性・遮熱性・フィット感・汗対策で選びます。

通気性・遮熱性を確認する

通気孔付きのヘルメットは、内部の熱や湿気を逃がしやすく、暑さ対策に役立ちます。また、白や銀色など明るい色や遮熱タイプは、太陽光を反射して帽体内の温度上昇を抑える効果が期待できます。ただし、高電圧機器を扱うなど絶縁用保護具が必要な現場では、通気孔から導通する恐れがあるため通気孔付きは使えません。必ず現場の安全基準に合うものを選びましょう。

内装・あご紐・フィット感も重要

内装(ハンモックやヘッドバンド)やあご紐のフィット感も、快適性と安全性の両方に関わります。汗取りインナーやヘッドバンド型インナーを使うと、汗を吸って汗だれを防ぎ、目や顔に汗が流れる不快感を減らせます。内装が汗で濡れたままにならないよう、休憩時の乾燥・交換も心がけましょう。

ヘルメット関連商品

ヘルメット着用時の熱中症リスクを下げるには、現場の安全基準を満たしたうえで、通気性・遮熱性・フィット感・汗対策を考慮したヘルメットや関連用品を選ぶことが大切です。建設現場・工場・イベント設営など、ヘルメットを外しにくい現場ほど、頭部の暑さ対策を事前に検討しておきましょう。

4管理対策
ヘルメット着用現場でWBGT計を確認する熱中症対策

ヘルメットだけでは不十分。WBGT計で現場の暑さを確認する

結論:頭が暑いと感じてからでは遅いことも。数値で先回りして休憩・作業短縮を判断します。

頭が暑いと感じる前に、数値で判断する

ヘルメット着用時の暑さは、本人の感覚だけでは判断が遅れることがあります。WBGT計や温湿度計を使い、作業開始前・午前中・午後の暑い時間帯に数値を確認し、休憩や作業短縮の判断に活用しましょう。厚生労働省のSTOP!熱中症 クールワークキャンペーンでも、暑さ指数(WBGT)の把握と活用、責任体制の確立が呼びかけられています。

2体の対策
ヘルメットと空調服・冷却ベストを組み合わせた熱中症対策

体全体の熱を逃がす|空調服・冷却ベストとの併用

結論:頭部だけ冷やしても限界があります。体全体の熱を逃がす服装対策と組み合わせます。

ヘルメット内の暑さだけでなく、体全体の熱を逃がす

ヘルメットを外せない現場では、頭部だけでなく体全体の暑さ負担を下げることが重要です。空調服や冷却ベストを組み合わせることで、作業中に熱がこもりにくい状態を作りやすくなります。冷却ベストなどの身体冷却は、熱ストレスを下げる補助的な保護具として位置づけられます。休憩・水分補給・WBGT確認と併用することを前提に活用しましょう。

3環境対策
ヘルメット着用現場で工場扇や冷風機を使う熱中症対策

作業環境を冷やす|工場扇・冷風機で休憩所と作業場を整える

結論:かぶったまま休める涼しい場所を作ることが、頭部の熱を抜く近道になります。

ヘルメットをかぶったまま休める涼しい場所を作る

ヘルメットをかぶったまま作業を続ける現場では、作業者本人の装備だけでなく、作業環境と休憩環境を冷やすことも重要です。工場扇や冷風機を活用し、休憩時にしっかり体を冷やせる場所を整えましょう。日陰や送風のある休憩所があれば、安全にヘルメットを外して頭部の熱を逃がすこともできます。厚生労働省の資料でも、直射日光や照り返しを遮る簡易な屋根、発熱体との間の遮へい物などでWBGT値の低減に努めることが示されています。

学校やイベントでヘルメット着用時の熱中症対策を行う様子

現場別|ヘルメット着用時の熱中症リスクと対策

結論:現場ごとにリスクの出方が違います。4層(頭部・体・環境・管理)を現場に合わせて組み合わせます。

建設現場

直射日光・地面の照り返し・高所作業・重機周辺に加え、フルハーネスや安全ベストの重ね着で熱がこもりやすい環境です。対策として、WBGT計測、通気性・遮熱性の高いヘルメット、空調服・冷却ベスト、日陰の休憩所、工場扇・冷風機、休憩ルールを組み合わせます。

工場・倉庫

熱源、風通しの悪さ、天井付近の高温に加え、荷下ろし・ピッキング、フォークリフトや搬送ライン周辺ではヘルメットが必須です。対策として、工場扇・冷風機による送風と局所冷却、休憩所の冷却、WBGT確認、冷却ベストが有効です。

イベント設営・警備

長時間の屋外作業や待機、黒系ユニフォーム、人手不足による休憩不足、ヘルメットや帽子の着用が重なります。対策として、交代制、日陰での待機、冷風機、水分補給所の設置、短時間ごとの巡回を取り入れましょう。

学校・部活動・自転車ヘルメット

登下校、部活動、学校行事、そして自転車ヘルメット着用時の暑さが課題です。子どもは不調を言い出しにくいため、活動前のWBGT確認、日陰での休憩、水分補給、帽子・ヘルメットを外せる安全な休憩時間の確保、教員・引率者の声かけが重要です。

ヘルメット着用時の熱中症対策チェックリスト

結論:頭部・体・環境・管理の4層がそろっているか、チームで点検しましょう。
  • ヘルメットの通気性・遮熱性を確認しているか
  • 現場の安全基準に合ったヘルメットを選んでいるか
  • ヘルメット内装やインナーが汗で濡れたままになっていないか
  • 首元の日よけや冷却用品を検討しているか
  • WBGT計や温湿度計で暑さを確認しているか
  • 空調服・冷却ベストなど体全体の暑さ対策を併用しているか
  • 工場扇・冷風機で作業場所や休憩所を冷やしているか
  • ヘルメットを外してよい安全な休憩場所を決めているか
  • 休憩・水分補給・塩分補給のタイミングを決めているか
  • 頭痛・めまい・吐き気・ふらつきなどがある場合の報告ルールがあるか

ご注意

本記事は医療診断ではありません。頭痛、めまい、吐き気、ふらつき、意識がぼんやりする、自力で水分が取れないなどの症状がある場合は、ヘルメットの暑さだけと決めつけず、作業を中止し、涼しい場所へ移動して身体を冷やし、水分補給を行い、必要に応じて救急要請を検討してください。

よくある質問

Q. ヘルメットをかぶると熱中症リスクは上がりますか?

ヘルメットは頭部を直射日光から守る一方で、夏場は内部に熱や湿気がこもりやすく、暑さの負担が増えることがあります。ただし、頭部保護のために必要な装備であり、外すことが正解ではありません。通気性・遮熱性の高いヘルメットを選び、汗取りインナーや首元の日よけ、体や環境の冷却を組み合わせることで、着用したまま熱中症リスクを下げられます。

Q. 熱中症対策のためにヘルメットを外してもよいですか?

飛来・落下物や墜落のリスクがある作業中に安易に外すのは危険です。ヘルメットを外すのは、休憩所など頭部災害のリスクがない安全な場所に限りましょう。作業中は外すことを前提にするのではなく、通気性の良いヘルメットの選定や、体・環境の冷却で「かぶったまま涼しくする」工夫を優先してください。

Q. 通気孔付きヘルメットは熱中症対策になりますか?

通気孔付きヘルメットは内部の熱や湿気を逃がしやすく、暑さ対策に役立ちます。白や銀色など明るい色や遮熱タイプは、太陽光を反射して内部の温度上昇を抑える効果が期待できます。ただし、高電圧機器を扱うなど絶縁用保護具が必要な現場では、通気孔から導通する恐れがあるため使えません。必ず現場の安全基準を満たすものを選んでください。

Q. ヘルメットの中が蒸れるときはどうすればよいですか?

汗取りインナーやヘッドバンド型インナーを使うと、汗を吸って汗だれを防ぎ、快適性が上がります。休憩時には安全な場所でヘルメットを外して内装を乾かす・交換することも有効です。あわせて、首元の冷却や日よけ、送風のある涼しい休憩所を用意すると、蒸れによる負担を減らせます。

Q. ヘルメット着用現場では何を優先して準備すべきですか?

頭部(通気性・遮熱性の高いヘルメット、汗取りインナー、日よけ)、体(空調服・冷却ベスト、水分塩分補給)、環境(工場扇・冷風機、日陰の休憩所)、管理(WBGT計測、休憩ルール、作業短縮、巡視)の4つを組み合わせて備えるのが効果的です。ヘルメット対策だけに偏らず、体・環境・管理まで含めて設計しましょう。

Q. 学校やイベントでヘルメットを着用する場合の注意点は?

活動前にWBGTを確認し、日陰での休憩と水分補給の時間を確保します。子どもは体調不良を言い出しにくいため、引率者・教員が声かけと見守りを行い、安全な休憩時間にはヘルメットや帽子を外して頭部の熱を逃がせるようにしましょう。自転車ヘルメットも同様に、こまめな休憩と水分補給を心がけてください。

まとめ|ヘルメットは外すのではなく、着用前提で熱を逃がす対策を

ヘルメットは頭部保護のために必要な装備ですが、夏場は熱や湿気がこもりやすく、暑さの負担が増えます。だからといって安易に外すのではなく、通気性・遮熱性・内装・首元の日よけなどを検討し、「かぶったまま涼しくする」工夫を優先しましょう。

さらに、ヘルメット対策だけでは不十分です。WBGT計測、空調服・冷却ベスト、工場扇・冷風機、休憩ルールを組み合わせ、頭部・体・環境・管理の4層で備えましょう。作業場所や休憩所を冷やし、ヘルメットを外して休める安全な場所を用意することも大切です。頭痛・めまい・吐き気・ふらつきなどがあれば、暑さのせいと決めつけず作業を止め、涼しい場所で休ませ、必要に応じて救急要請を検討してください。

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